社会福祉援助技術(演習を含む)

問題27 社会福祉援助技術に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
A 社会福祉援助技術は、利用者がその人らしく生活し、よりよい生活を実現するための支
援の過程である。
B コミュニケーション技術は、援助関係を形成する上で重要である。
C 直接援助技術には、ケースワークとグループワークがある。
D 間接援助技術が中心であり、直接援助技術は補完的役割を果たす。
(組み合わせ)
A   B  C   D
1.○ ○ ○ ×
2.○ × × ○
3.× ○ ○ ○
4.× ○ ○ ×
5.× × × ○
答え:正解 1
A.○ 社会福祉援助技術は、利用者が、その人らしく生活し、よりよい生活を実現するための支援の過程です。
B.○ コミュニケーション技術は、援助関係を形成する上で重要です。
C.○ 直接援助技術には、ケースワーク(個別援助技術)とグループワーク(集団援助技術)があります。
D.× 社会福祉援助技術では、間接援助技術、直接援助技術はそれぞれ状況に応じて使われるものであり、どちらかが中心あるいは補完的ということはありません。

問題28 個別援助にかかわる援助者の基本的態度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.利用者の置かれている環境は多様であり、その特殊性を配慮することはない。
2.援助者は、自分の価値観や判断を根拠に援助を行う。
3.利用者が自己決定の困難な状況のときには、援助者が判断することが基本である。
4.利用者の感情的反応に対して、援助者は冷静になるように説得しなければならない。
5.利用者に関する情報については、本人から収集することが基本である。
答え:正解 5
1.× 利用者の置かれている環境は多様であるからこそ、個々の状況を個別的に配慮しなければなりません。
2.× 援助者が自分の価値観や判断を根拠に援助を行うのではなくて、あくまで利用者の意志を尊重する援助でなければなりません。
3.× 利用者が自己決定の困難な場合であっても、援助者が決定するのではなく、他の専門職をはじめ関係者のさまざまな意見を聞いて援助しなければなりません。
4.× 利用者の感情的反応に対して、援助者は冷静になるように説得するのではなく、まず、利用者の感情を受け止めることが重要といえます。
5.○ 利用者に関する情報については、まず本人から収集することが基本といえます。

問題29 日本介護福祉会の倫理綱領からの抜粋に関する次の記述の空欄、A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。
介護福祉士はすべての人々の「A」を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後
が送れるよう、「B」の立場から「C」を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提
供していきます。
A                B             C
1.生存権   - 介護福祉士 - 自己選択
2.生存権   - 利用者本位 - 自己決定
3.生存権   - 利用者本位 - 自己選択
4.基本的人権 - 利用者本位 - 自己決定
5.基本的人権 - 介護福祉士 - 自己決定
答え:正解 4
問題文は、日本介護福祉会倫理網領(1995(平成7)年11月17日)から、「利用者本位、
自立支援」の部分です。
「介護福祉士はすべての人々の「A=基本的人権」を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう、「B=利用者本位」の立場から「C=自己決定」を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。」

問題30 次の人物とその業績等に関する組み合わせのうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.アダムズ(Addams,J.) - トインビーホールの初代館長
2.バーネット(Barnett,S.)  - YMCAを創設
3.ニューステッター(Newstetter,W.) - ニーズ解決のプロセス重視
4.ロス(Ross,M.) - 地域援助技術モデルの3分野
5.横山源之助 - 『日本之下層社会』の著者
答え:正解 5
1、2 × アダムズは、シカゴでセツルメントハウスであるハルハウスを創設しました。トインビーホール(イギリス)は、世界最初のセツルメントハウスでありバーネット夫妻によって設立されました。YMCAは、キリスト教に基づく青年組織であり、1844年にロンドンで設立されました。
3.× ニューステッターは、1935年に集団援助技術の最初の定義を明らかにしました。1947年に「インターグループワーク論」を提示しました。
4.× ロスは、「地域組織説(プロセスゴール説)」で有名ですが、これは「地域社会が持っている自発性や自助力を呼び覚まし、地域の問題解決に向けて地域住民を組織化するもの」です。
5.○ 横山源之助は、明治時代に貧民問題を研究して「日本之下層社会」を著するなど、社会底辺の実態調査を行いました。

問題31 個別援助技術に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。
1.利用者の理解のために援助者自身の自己覚知が求められる。
2.援助者は、常に利用者を指導する立場にある。
3.利用者の援助の過程には、面接、アセスメント、契約、介入が含まれる。
4.援助者は偏見や先入観を排し、利用者を個人として理解する。
5.援助者に対するスーパービジョンのためにも記録が重要な意味をもっている。
答え:正解 2
1.○ 自己覚知とは、社会福祉援助において援助者が自らの価値観、感情、個性などを知り、感情、態度をコントロールしておくことですが、援助対象者に対して、偏見や先入観をもって援助に当たらないようにするためのものです。
2.× 援助者は、利用者を指導する立場で援助するのではなく、対等の関係のなかで援助を行わなければなりません。
3.○ 利用者の援助の過程は、①インテーク、②情報収集とアセスメント(事前評価)、③プランニング(計画)、④インターベンション(介入)、⑤事後評価と終結、となります。
4.○ 援助者は、偏見や先入観を排して、利用者を個人として理解していなければ正しい評価ができません。
5.○ 援助者に対するスーパービジョンのためにも、介護記録は重要です。

(社会福祉援助技術・事例問題)
訪問介護に関する次の事例を読んで、問題32から問題34までについて答えなさい。
[事 例]
Eさん(女性、85歳)は、20年前に夫と死別した。現在、近くに住んでいる孫が時々訪れている。両下肢筋力低下、骨粗鬆症のため以前腰椎の圧迫骨折をしたことがあるが、伝い歩きは可能で自室近くにあるトイレには自分で行っている。視力・聴力にも問題はないが、意思疎通がはかれないことがしばしばある。要介護3と認定されており、毎日訪問介護を利用しながらアパートで一人暮らしを続けている。
ある冬の寒い日、いつものようにP訪問介護員(以下「P介護員」という)が訪問すると、トイレからEさんのベッドまで床や手すりが便で汚れていた。Eさんは、ベッドの中で毛布にくるまって横になっていたが、P介護員が声をかけると、「今日は寒いのに、のりちゃん(緊急連絡先の孫の名前)よう来たねぇ」と返事が返ってきた。

問題32 次の記述のうち、P介護員がEさんにとるべき態度として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「のりちゃんではありません。介護員のPです」と、Eさんに自分の顔を確認してもらう。
2.「お部屋中ひどく汚れていますよ。どうしてこんなことをしたのですか」と、Eさんに理由を直接聞く。
3.「今朝も寒かったですね。具合はいかがですか」と、Eさんの言ったことを受け止める。
4.認知症の疑いがあるので、すぐに改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を実施してみる。
5.Eさんがひどく汚れているため、清潔にすることが優先であり、Eさんとの会話は後にする。
答え:正解 3
1、2 × 認知症の利用者の発言や行動を、一概に否定したり、問いただしたりすると混乱してしまうので、好ましくありません。
3.○ 利用者の言葉を受けとめることは、原則といえます。
4.× 改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、医師の指示のもとに行わなければなりません。
5.× EさんからP介護員に対して声がかかっており、利用者との会話を優先させなければなりません。

問題33 P介護員からの報告を受けた訪問介護事業所のサービス提供責任者(介護福祉士)の対応に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを1つ選びなさい。
A  Eさんの自宅を訪問し、Eさんの身体的な状況や心理・社会的状況の変化について把
握する。
B 孫に連絡を入れ、再々このようなことが起きると訪問介護員が困るので、施設入所を勧
める。
C Eさんの居宅サービス計画(ケアプラン)を作成した介護支援専門員に、現在のEさん
の状況について相談する。
D 次回の訪問から、Eさんにおむつを当てて、しばらく様子を見るようにとP介護員に伝
える。
(組み合わせ)
1.A B
2.A C
3.B C
4.B D
5.C D
答え:正解 2
A.○ サービス提供責任者は、Eさんの自宅を訪問するなどにより、Eさんの身体的な状況や心理・社会的状況の変化についてより詳細に把握して対応を検討しなければなりません。
B.× Eさん本人に施設入所についての説明もないまま、孫に入所を勧めることは不適切といえます。
C.○ Eさんの居宅サービス計画(ケアプラン)を作成した介護支援専門員に、現在のEさんの状況について相談することは適切といえます。
D.× Eさんには、自室近くにあるトイレには自分で行っており、すぐにおむつを検討しなければならない状況とはいえません。

問題34 サービス提供責任者は、本人や家族を交えてEさんの訪問介護計画を見直すこととした。今度の援助過程に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。
1.介護支援専門員が既に作成した居宅サービス計画を踏まえ、再アセスメントし、訪問介護計画の見直しを行う。
2.訪問介護計画の見直しに際しては、P介護員の視点を優先して援助目標を立案する。
3.見直した訪問介護計画の内容をEさん及びその家族等と再度確認する。
4.見直した訪問介護計画をもとに、P介護員と同行訪問し、援助内容が訪問介護計画の目標やケア内容と相違しないかモニタリングする。
5.援助を実施したP介護員と共に、援助に関する評価を行う。
答え:正解
1、3、4、5 ○ 訪問介護計画の見直しに際しては、再アセスメント、本人や家族を交えて内容の再確認、援助内容のモニタリング、担当者と評価を行う等のきめ細かな対応が望まれます。
2.× P介護員の視点も取り入れながら、サービス提供責任者としての判断を加味して計画を立てることが重要といえます。

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