社会福祉概論

問題1 我が国の戦後の社会福祉制度の成立に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを1つ選びなさい。
A 昭和22年に制定された児童福祉法は、保護の国家責任と自立助長を初めて明文化した。
B 昭和24年に制定された身体障害者福祉法により、家庭奉仕員制度が創設された。
C 昭和25年に制定された(新)生活保護法により、困窮に陥った原因を問わず保護を
受ける権利を有することとなった。
D 昭和26年に制定された社会福祉事業法は、連合国軍総司令部(GHQ)により示され
たいわゆる「6項目」の要求を背景としている。
(組み合わせ)
1.A B
2.A C
3.B C
4.B D
5.C D
答え:正解 5
A.× 児童福祉法には保護の国家責任と自立助長については明文化されていません。→児童福祉法第1・2条
B.× 老人家庭奉仕員制度は、昭和38年に成立した老人福祉法で発足しましたが、その後、対象を、身体障害者、心身障害児に拡大して、昭和42年に身体障害者家庭奉仕員派遣事業、昭和45年に心身障害児家庭奉仕員派遣事業が設けられた。これらは平成3年に名称がホームヘルパーとなり、平成12年の介護保険法の成立により、訪問介護員に再編成されました。→介護保険法第5章
C.○ 法には「すべての国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」とされています。→生活保護法第2条
D.× 連合国軍司令部の6項目提案とは、①厚生行政地区制度、②市厚生行政の再組織、③厚生省により行われる助言的措置及ぶ実施事務、④公私社会事業の責任と分野の明確化、⑤社会福祉協議会の設置、⑥有給専任吏員の現任訓練の実施である。

問題2 社会福祉・社会保障制度の適用年齢に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。
A 児童福祉法に規定される児童とは満18歳未満の者であるが、児童福祉施設では18歳
を超えた者が措置されることがある。
B 走会社自立支援法に規定される障害児とは、障害がある20歳未満の者とされている。
C 介護保険法に規定される第一号被保険者は、65歳以上とされている。
D 厚生年金保険の加入者は、満20歳以上65歳未満とされている。
(組み合わせ)
1.A B
2.A C
3.B C
4.B D
5.C D
答え:正解 2
A.× 児童福祉法の児童の定義は満18歳未満だが、施設等の入所基準では20歳までの場合もあります。→児童福祉法第4条
B.× 障害者自立支援法は、2012(平成24)年に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)と名称が変更されました(施行は平成25年4月)。「身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童」の児童とは、「満18歳に満たない者」とされています。→障害者総合支援法第4条第2項、→児童福祉法第4条
C.○ 第一号被保険者とは、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者です。→介護保険法第9条
D.× 厚生年金保険には、加入者の年齢に下限はありません。→厚生年金保険法第9

問題3 福祉サービスにおける利用者負担に関する次の記述の空欄A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。
A         B       C
1.漏給      - 応益負担 - 児童福祉法の措置
2.漏給      - 応益負担 - 生活保護法の措置
3.モラルハザード - 応能負担 - 生活保護法の措置
4.モラルハザード - 応益負担 - 介護保険法のサービス利用
5.モラルハザード - 応能負担 - 介護保険法のサービス利用
答え:正解 4
社会福祉における利用者負担は、制度の趣旨を逸脱した利用による(A=モラルハザード)を防止し、社会資源の有効活用を促すなど様々な目的のために導入されています。今日の利用者負担の主な考え方として、提供されたサービスから得た利益に応じてその費用を負担する(B=応益負担)があり、この考え方を採用した制度の代表的なものとして(C=会保険法のサービス利用)があります。

問題4 社会保険制度とその関係機関に関する次の組み合わせのうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1.全国健康保険協会管掌医健康保険 - 職域保健 -社会保険事務所
(旧政府管掌健康保険)
2.雇用保健      - 地域保健 - 労働基準監督署
3.労働者災害補償保健 - 職域保健 - 労働基準監督署
4.国民健康保険    - 地域保健 - 市町村・国民健康保険組合
5.国民年金      - 地域保健 - 社会保険事務所
答え:正解 2
雇用保険は、労働者が失業及び労働者の雇用の継続が困難となった場合に、労働者生活及び雇用の安全を図るとともに、再就職を促進するために必要な給付を行うものです。雇用保険は、自営業者などが加入する地域保健ではなく、会社員や公務員が加入する職域保険であり、保険者は国(所管は厚生労働省)です。労働基準監督署は労働基準法その他の労働者保護法規に基づいて事業場に対する監督及び労災保険の給付等を行う厚生労働省の出先機関です。
★2010年1月1日の社会保険庁の廃止に伴い、公的年金(厚生年金・国民年金)の運営業務は、同日発足した非公務員型の特殊法人である日本年金機構に移管されました。従来の社会保険事務所は、日本年金機構の年金事業所となりました。

問題5 社会福祉調査に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
A ブース(Booth,C.)はイギリスのロンドン市で貧困調査を実施し、貧困の原因は個人の
道徳問題が主であることを解明した。
B ラウントリー(Rowntree,B.)は、イギリスのヨーク市で貧困調査を実施し、相対的剥
奪による貧困の再発見に寄与した。
C 社会福祉調査は、社会福祉援助技術の中の間接援助技術の一つとして位置づけられる。
D 社会福祉調査では、統計的な分析だけでなく、現場に足を運び状況を具体的に記述する
社会踏査も重要である。
(組み合わせ)
A   B C   D
1.○ ○ ○ ×
2.○ ○ × ×
3.○ × ○ ○
4.× ○ × ○
5.× × ○ ○
答え:正解 5
A.× 貧困の原因は個人の道徳問題ではありません。
B.× 貧困は相対的剥奪によるものではありません。
C.○ 社会福祉調査は、社会福祉援助支援の中の間接援助技術の一つとして位置づけられます
D.○ 社会福祉調査では、統計的な分析だけでなく、現場に足を運び状況を具体的に記述する社会調査も重要です。

問題6 平成19年の社会福祉士及び介護福祉制度の見直しに関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
1.介護福祉士の定義規定の条文では、従来の「入浴、排せつ、食事その他の介護」から「心身の状況に応じた介護」に改められた。
2.介護福祉士の養成施設等の教育内容が見直されることとなった。
3.個人の尊厳の保持や利用者の立場に立った日常生活における自立支援など、「誠実義務」が新たに規定された。
4.福祉サービス及び保健医療サービス等の様々な関係者との連携など、「連携」について見直された。
5.「資質の向上の責務」が義務づけられ、一定期間後に資格の更新が必要となった。
答え:正解 5
1.○ 平成19年の社会福祉士及び介護福祉士制度の見直しでは、介護福祉士の定義と義務等の規定が見直しされました。→社会福祉士及び介護福祉士法第2条及び第4章
2.○ 平成19年の制度の見直しに基づき、カリキュラムの改正が行われました。また、国家資格の受験資格が改正されるとともに、養成施設卒業者もすべて国家試験の受験が義務付けられています。その他、准介護福祉士資格が新たに設けられました。ただし、これらの改正の施行日は延期され、平成26年5月時点では平成28年度からの実施とされています。→社会福祉士及び介護福祉士法附則
3.○ 介護福祉士は、誠実にその業務を行わなければならないとされています。→社会福祉士及び介護福祉士法第44条の2
4.○ 介護福祉士は、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならないとされています。→社会福祉士及び介護福祉士法第47条
5.× 資質向上の責務は定められていますが、一定期間後の資格の更新は定められていません。→社会福祉士及び介護福祉士法第47条の2

問題7 社会福祉法における民間活動に関する次の記述のうち、適切なものの組み合せを1つ選びなさい。
A 民生委員は、市町村長の推薦を受けて、都道府県知事によって委託される。
B 国民の助け合い運動を起源とする共同募金については、寄附者の自発的な協力を基礎と
しなければならない旨が規定されている、
C 特定非営利活動促進法(NPO法)の施行に伴い、特定非営利活動法人が第一種社会福
祉事業の経営主体となった。
D 社会福祉協議会は、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体である。
(組み合わせ)
1.A B
2.A C
3.B C
4.B D
5.C D
答え:正解 4
A.× 民生委員は、都道府県知事の推薦によって、厚生労働大臣がこれを委託すると定められています。→民生委員法第5条
B.○ 共同募金は第1種社会福祉事業であり、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならないと定められています。→社会福祉法第116条
C.× 第一種社会福祉事業は、国、地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則としており、特定非営利活動法人や民間によるものは第2種社会福祉事業です。→社会福祉法第2条・第60条
D.○ 法には、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体と定められています。
→社会福祉法第第109条

問題8 福祉サービス等の苦情解決に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを1つ選びなさい。
A 介護保険サービスにかかわる苦情解決は国民健康保険団体連合会で行うため、運営適正
化委員会は介護保険にかかわる苦情は受け付けないこととされている。
B 運営適正化委員会は、苦情解決の申出があったときは、申出人及びその申出人に対して
サービスを提供した者の同意を得て苦情解決のあっせんを行うことができる。
C 運営適正化委員会は、苦情の解決に当たり、当該利用者の処遇につき不当な行為の恐れ
の有無にかかわらず、速やかに都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
D 日常生活自立支援事業には、福祉サービスの利用に関する苦情解決制度の利用援助が含
まれる。
(組み合わせ)
1.A B
2.A C
3.B C
4.B D
5.C D
答え:正解 4
A.× 介護保険サービスにかかわる苦情解決は、国民健康保険団体連合会以外でも、介護サービス事業者、地域包括支援センター等でも受け付けています。
B.○ 運営適正化委員会は、苦情解決の申出があったときは、利用者と事業者が話し合いを行い、苦情を解決していきます。
C.× 運営適正化委員会は、苦情があったときには、速やかに都道府県知事にその旨を通知しなければなりません。
D.○ 日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うものであり、苦情解決の利用援助も含まれます。

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