老人・障害者の心理

問題41 老化に伴う心理と適応機制に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.他の人との間に生じる劣等感情を、優越感情で補おうとする。 - 補償
2.忍耐力や抑制がきかなくなることにより、人に依存する。 - 反動形成
3.新しいことをなるべく避けようとする。 - 投射
4.認めることのできない欲求を、他人の中にある欲求と考える。 - 抑圧
5.自分の不安や緊張、葛藤などから逃げ出すことで安定を図る。 - 合理化
答え:正解 1
1.○ 補償とは、不得意な面を他の面で補おうとすることであり、劣等感情を優越感情で補うことは補償といえます。適応機能の種類には、補償、代償、昇華、同一化、合理化、逃避、抑圧、退行、攻撃などがあります。
2.× 反動形成とは、反対の傾向を強調することによって、受容しがたい衝動を制御しようとする態度・習性のことであり、忍耐力や抑制がきかなくなることにより、人に依存するのは、退行に当たると考えられます。
3.× 投射(投影)とは、自分自身の中にある受け入れがたい不快な感情を、自分以外の他者が持っていると知覚することです。新しいことをなるべく避けようとするのは逃避に当たるといえます。
4.× 抑圧とは、実現困難な欲求や苦痛の体験などを無意識の中に封じ込めて忘れようとすることです。認めることのできない要求を、他人の中にある要求と考えるのは、投影といえます。
5.× 攻撃とは、八つ当たりやかんしゃくを起こすことで緊張を解消しようとすることです。自分の不安や緊張、葛藤などから逃げ出すことで安定を図るのは、逃避といえます。

問題42 現実見当識訓練(Reality Orientation : RO)に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。
1.見当識障害を改善し、現実認識を高めることがねらいである。
2.24時間ROは、認知機能の障害が同じ程度のグループで行う。
3.名前や年齢、物の名前などの基本情報の反復学習を行う。
4.混乱や失敗に対しては、肯定的・受容的に対応する。
5.教室ROでは、ゲームを取り入れるなど参加者の相互交流を図る。
答え:正解 2
1、3、4、5 ○ 現実見当識訓練とは、見当識障害を有する患者を対象とした治療技法であり、例えば、軽運動、番号リレー、自己紹介、簡単なゲーム、日時・場所に関  する見当識訓練などが行われています。利用者の混乱や失敗に対しては、肯定的、受容的に対応します。
2.× 24時間RO(リアルティ・オリエンテーション)とは、現実見当識訓練のひとつであり、基本的情報を一日中繰り返し自然な形で与えるものです。個別的なアプローチです。

問題43 先天性視覚障害児の障害形態と発達に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.1歳ごろの早期から教育訓練を始めないと、発達が停滞する。
2.バーバリズムとは、適切な概念やイメージの裏づけがないままに、言葉だけ学習してしまう状態のことをいう。
3.視覚的には理解できないが、2歳ごろから視覚障害であることは自覚している。
4.代償機能とは、聴覚がより発達し、視覚機能の情報収集力を超えていくことである。
5.身体を揺するなどの自己刺激的な行動をとるのは、外界からの刺激が過剰なためである。
答え:正解 2
1.× 人は年齢に応じた訓練を行うことで発達するので、早期から教育訓練をしなければ発達が停滞するとはいえません。
2.○ バーバリズムとは、適切な概念やイメージの裏づけがないままに、言葉だけ学習してしまう状態のことをいいます。
3.× 先天性視覚障害児の場合に、2歳ごろから視覚障害であることは自覚することはないといえます。
4.× 視覚障害における代償機能とは、視覚障害により触覚や聴覚などの視覚以外の感覚機能が発達する脳の仕組みのことです。
5.× 身体を揺するなどの自己刺激的な行動をとるのは、外界からの刺激が過剰だからではなく少なすぎるために起こるものといえます。

問題44 認知症高齢者への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.誤ったことをした時は、間違った点を指摘し、反省を促す。
2.感情が不安定なので、日常生活面で心理的刺激の効果は望めない。
3.認知機能が低下することから、知的な作業は負担となるので避ける。
4.生活の場面で、出来ることを見つけて、支援する。
5.発症には、様々な原因があるが、原因の違いにより対応を変える必要はない。
答え:正解 4
1、2、3 × 認知症高齢者に対しては、誤りを指摘したり、否定をすることは不適切です。また、日常生活面で適度な心理的刺激はよい効果をもたらすといわれています。さらに、過度の負担とならない程度の適度な知的作業も有効といえます。
4.○ 生活の場面で、出来ることを見つけて、支援することは適切であるといえます。
5.× 認知症の発症には、様々な原因があるが、その原因の違いにより対応を変えることが望まれます。

問題45 ピアジェ(Piaget,J.)の思考の発達段階に関する次の記述のうち、年齢の低い方から高い方へ並べたものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1.前操作的段階 → 具体的操作段階 → 感覚運動段階  → 形式的操作段階
2.前操作的段階 → 形式的操作段階 → 具体的操作段階 → 感覚運動段階
3.感覚運動段階 → 具体的操作段階 → 前操作的段階  → 形式的操作段階
4.感覚運動段階 → 前操作的段階  → 形式的操作段階 → 具体的操作段階
5.感覚運動段階 → 前操作的段階  → 具体的操作段階 → 形式的操作段階
答え:正解 5
1、2、3、4 × J.ピアジェは人間の思考の発達段階を、大きく乳児期の『感覚運動的段階』と、幼児期以降に到達する『表象的思考段階(前操作的段階・操作的段階)』に分けています。
5.○

問題46 ピア・カウンセリングの技法に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
A 相手に自分の体験を話す際は、「私の場合は」といった話し方をする。
B ピア・カウンセラーの役割は、仲間を指導することである。
C ねらいとして「感情開放」が取り入れられている。
D 「セッション」では、互いに対等の立場で交互に話し合う。
(組み合わせ)
A  B  C  D
1.○ ○ ○ ×
2.○ ○ × ×
3.○ × ○ ○
4.× ○ × ○
5.× × ○ ○
答え:正解 3
A、C、D ○ ピア・カウンセリングとは、同じような環境や悩みを持つ人たちが、対等の立場で仲間として行われるカウンセリングです。心が解放される効果もあります。
B.× ピア・カウンセリングでは、仲間との対等の立場で接しており、仲間を指導するということは行われていません。

問題47 高齢者の認知機能の測定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.ビネー式知能検査は、65歳以上の知能を測定するのに適している検査である。
2.横断法は、老化に伴う個人の知能の変化を追跡するのに適している検査である。
3.「MMSE」は、日常生活の様々な行動観察から知能を評価する検査である。
4.ウェクスラー式知能検査は、言語性と動作性の両面からの問題によって構成される検査である。
5.柄澤式「老人知能の臨床的判定基準」は、知能の低下を言語面から測定・判断する検査である。
(注)「MMSE」とは、ミニ・メンタル・ステイト検査(Mini-Mental State Examination)のことである。
答え:正解 4
1.× ビネー式知能検査は、学業不振児童を判別する客観的な知能測定法です。
2.× 横断法は、老化に伴う個人の知能の変化を追跡するのに適した検査といえます。
3.× MMSEとは、認知機能や記憶力を簡易的に評価する検査です。
4.○ ウェクスラー式知能検査は、言語性と動作性の両面からの問題によって構成される検査です。
5.× 柄澤式「老人知能の臨床的判定基準」は、対象者の日常生活から知能レベルを測定するものです。

問題48 パーキンソン病によって起きやすい心理的影響に関する次の記述のうち、正しいものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
A 病名を告知されると本人だけでなく家族も同様に不安にかられる。
B 今しかできないという焦る気持ちが強くなり、仕事や趣味に意欲的になる。
C 歩行中に突然歩けないと助けを求めるのは、一種の甘えの表現である。
D 「自分は役に立たなくなった」と感じて孤立感に陥る。
(組み合わせ)
A  B  C  D
1.○ ○ × ×
2.○ × ○ ×
3.○ × × ○
4.× ○ ○ ×
5.× ○ × ○
答え:正解 3
A.○ 病名を告知されると本人だけでなく家族も同様に不安にかられることから、適切な対応が必要となります。
B.× パーキンソン病では、気分が落ち込み、将来への不安、意欲の低下などがみられます。
C.× 歩行中に突然歩けないと助けを求めるのは、甘えの現象ではなく、姿勢保持障害によるものを考えられる。パーキンソン病では、症状の進行につれて姿勢保持障害が出現することがあります。
D.× パーキンソン病では、気分が落ち込み、将来への不安などから孤立感に陥ることがあります。

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