老人福祉論

問題9 Nさんは要介護1の認定を受けており、自立歩行が可能であるがふらつきがあり、また、起居動作に時間がかかる。次の記述のうち、Nさんに対する介護保険制度の福祉用具の活用に関する介護支援専門員の対応として、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
A 外出を容易にするために、電動車いすの貸与を受けるよう助言した。
B 布団による生活からベッドでの生活に転換するため、電動ベッドの貸与を提案した。
C 自立歩行の安定のために歩行補助つえが有効と思われたので、つえについての情報を提
供した。
D 福祉用具の活用方法について、リハビリテーションの専門職の意見を聞くよう勧めた。
(組み合わせ)
A   B  C  D
1.○ ○ ○ ×
2.○ ○ × ○
3.○ × ○ ×
4.× ○ × ○
5.× × ○ ○
答え:正解 5
A.× Nさんは要介護1であり、自立歩行がふらつきながらも可能なので、電動車いすまでは必要ありません。
B.× Nさんの現状では、布団による生活は可能といえ、電動ベッドまでは必要ありません。
C.○ Nさんの自立歩行の安定のために、歩行補助つえの情報を提供することは、適切といえます。
D.○ Nさんに専門職から意見を行くことを勧めることは重要といえます。

問題10 高齢者関連の法律に関する次の記述の空欄、A、B、Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを1つ選びなさい。
老人福祉法の目的には「老人に対し、その「A」のために必要な措置を講じる」ことが規
定されている。また、同法の基本的理念の一つには、「老人は、その希望と能力とに応じ、
適当な仕事に従事する機会その他「B」に参加する機会を与えられる」こと等が規定されて
いる。介護保険法の目的には、要介護者等が、「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立
した「C」を営むことができるよう必要な給付を行う」ことが規定されている。
A            B       C
1.心身の健康の保持及び生活の安定 - 社会的活動 - 日常生活
2.心身の健康の保持及び生活の安定 - 社会的活動 - 社会生活
3.心身の健康の保持及び生活の安定 - 経済的活動 - 日常生活
4.医療の確保及び生活の安定    - 経済的活動 - 社会生活
5.医療の確保及び生活の安定    - 社会的活動 - 日常生活
答え:正解 1
老人福祉法の目的には、「老人に対し、その(A=心身の健康の保持及び生活の安定)の
ために必要な措置を講じる」ことが規定されています。(→老人福祉法第1条)。また、同法の基本的理念の一つには、「老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他(B=社会的活動)に参加する機会を与えられる」こと等が規定されています。(→老人福祉法第3条)。介護保険法の目的には、要介護者等が、「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した(C=日常生活)を営むことができるよう必要な給付を行う」ことが規定されています。(→介護保険法第1条)

問題11 介護保険法に基づく次の事業所のうち、市町村長がその事業者の指定を行うものとして、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。
A 介護予防サービス事業所
B 介護予防支援事業所
C 認知症対応型共同生活介護事業所
D 特定福祉用具販売事業所
(組み合わせ)
1.A B
2.A C
3.A D
4.B C
5.B D
答え:正解 4
A.× 介護予防サービス事業所は、サービスを実施する事業所ごとに都道府県知事の指定又は開設許可を受ける必要があります。→介護保険法第115条の2
B.○ 介護予防支援事業所とは、地域包括支援センターのことです。市町村は地域包括支援センターを設置することができます。→介護保険法第115条の46
C.○ 認知症対応型共同生活介護事業所とは、要介護者であって認知症であるものについて、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいいます。地域密着型サービス事業分類され市町村の指定を受けることになります。→介護保険法第8条第19項
D.× 特定福祉用具販売事業所の指定を受けようとする者は、事業所が所在する都道府県知事に申請を行うことになります。

問題12 近年の介護サービスの整備・充実等に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1.高齢者の「社会的入院」問題は、療養病床の制度ができたことで初めて社会的な問題となった。
2.「社会的入院」の問題の解消を目指して、医療に重点を置いたケアの必要性が高まった。
3.老人保健施設(現介護老人保健施設)は、看護、介護、機能訓練に重点を置き、医療ケアと日常生活サービスを提供するために創設された。
4.訪問介護は、医学的管理の下における介護その他の世話を行う。
5.介護保険制度の創設で、「介護療養型医療施設」は介護保険施設となり、医療法に基づく病院ではなくなった。
答え:正解 3
高齢者の「社会的入院」問題とは、医学的には入院の必要がないにもかかわらず、家庭でのケアの担い手がいないなどの事業から、多くの高齢者が病院で生活している状態をいいます。本来、入院が必要な患者が入院できないといった事態を引き起こしています。
1.× 療養病床とは、長期にわたり療養を必要とする慢性期の患者を対象とする病床で、介護保険が適用されます。療養病床と同じような施設で、医療法に基づき、医学的管理のもとに介護その他の世話や必要な医療を行う施設が、介護療養型医療施設ですが、療養病床と機能が似ていることから、2011年度末に廃止して、既存の施設は他の介護保険施設への転換が進められています。高齢者の「社会的入院」問題は、療養病床の制度ができる以前から社会問題となっていました。
2.× 「社会的入院」問題の解消には、医療に重点を置くのではなく、入院から在宅でのケアを重視することが望まれます。
3.○ 老人保健施設(現介護老人保健施設)は、看護、介護、機能訓練に重点を置き、医療ケアと日常生活サービスを提供するために創設されました。
4.× 訪問介護とは、食事、入浴、掃除、洗濯といった日常生活をサポートするサービスであり、医学的管理のもとに行われるものではありません。
5.× 介護療養型医療施設とは、医療法に基づき、病状が安定期にある要介護者に対し、医学的管理のもとに介護その他の世話や必要な医療を行う施設です。

問題13 ユニット型指定介護老人福祉施設に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.少数の居室を組み合せて構成された場所をユニットという。
2.便所は、居室に設置しなければならないことになっている。
3.ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置することになっている。
4.入居者の生活は、プライバシーの観点から、なるべく地域社会との関係を持たないように工夫する。
5.食事はユニットごとではなく、施設全体の食堂でとることとされている。
答え:正解 3
ユニット型指定介護老人福祉施設とは、施設の居室を10人程度の少人数のグループに分け、それぞれをひとつのユニット(生活単位)として、ユニットごとに食事、入浴などの日常生活を送り、多数床施設であっても家庭的な雰囲気の中で個別にきめ細やかなケアを行うものです。
1.× ユニットとは、少数の居室を組み合わせたものではありません。
2.× 便所は、居室ごと、又は共同生活室ごとに適当数設けることになっています。
3.○ ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置することとされています。→指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第47条第2項第3号
4.× ユニット型指定介護老人福祉施設は、地域や家庭との結び付きを重視した運絵を行うとされています。→指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第39条第2項
5.× ユニット型指定介護老人福祉施設では、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、共同生活室で食事を摂るように支援することとされています。→指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第44条第4項

問題14 次の記述のうち、平成17年の介護保険法の改正で法令上初めて示されたものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1.グループホーム
2.自立支援
3.ゴールドプラン21
4.地域包括支援センター
5.市町村介護保険事業計画
答え:正解 4
平成17年の介護保険法の改正では、介護予防サービスが新たに新設され、要介護認定に要支援が加わりました。地域密着型サービスが新設されたほか、高齢者の相談窓口として「地域包括支援センター」が新設されました。介護保険対象外の高齢者には、「地域支援事業」を設けて介護予防を行います。
1.× グループホームには、平成12年の介護保険法施行に伴い設けられました。
2.× 自立支援は、介護保険法施行当初から定められています。
3.× ゴールドプランは、厚生省が平成元年に発表したものであり、平成11年までの10ヶ年を目標に、高齢者社会に対応して各種の施設サービスの整備を図るものでした。
4.○ 地域包括支援センターは、平成17年の介護保険法の改正により設置されました。
5.× 市町村は、国が定める基本指針に即して、3年を1期とする市町村介護保険事業計画を定めることとされています。これは平成17年の法改正以前から定められています。

問題15 介護保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.通所介護の介護報酬の算定は、1日単位であり、サービスの提供時間による差はない。
2.介護予防訪問介護の介護報酬の算定は、月単位である。
3.特定施設入居者生活介護の介護報酬と介護老人福祉施設の介護報酬は同じである。
4.介護老人福祉施設では、低所得者に対して、居住費等の負担の軽減は行われない。
5.居宅療養管理指導の報酬は、医療保険から支払われる。
答え:正解 2
1.× 通所介護の介護報酬の算定は時間単位であり、介護度により報酬単位が異なります。
2.○ 介護予防訪問介護の介護報酬の算定は、月単位で、介護度に応じて上限があります。
3.× 介護老人福祉施設では、要介護度の高いポイントを置いた上乗せ介護報酬となっています。
4.× 介護老人福祉施設では、低所得者に対して、居住費、食費等の負担軽減が実施されています。
5.× 居宅療養管理指導の報酬は、介護保険から支払われています。

問題16 介護保険制度の居宅サービス計画に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.居宅サービス計画が作成されていない場合は、介護保険制度による居宅介護サービスの給付を受けることができない。
2.居宅サービス計画の利用者の同意は口頭でもよい。
3.居宅サービス計画は、介護支援専門員の指導の下に、居宅介護支援事業所の従業員であれば作成するこができる。
4.居宅サービス計画に訪問看護等の医療サービスを位置づける場合には、医師の指示が必要である。
5.居宅サービス計画は個人情報保護の観点から、原則として居宅サービス事業者に交付することはできない。
答え:正解 4
1.× 居宅サービス計画が作成されていない場合でも、介護保険制度による居宅サービスを受けることができますが、サービス利用費を全額支払い、償還払いを受けることになります。
2.× 居宅サービス計画の利用者の同意は口頭ではなく書面(同意書)で行うこととされています。
3.× 居宅サービス計画(ケアプラン)は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員、または本人(家族を含む)が作成しなければいけません。
4.○ 居宅サービス計画に訪問看護等の医療サービスを位置づける場合には、医師の指示が必要になります。
5.× 介護サービス計画の作成及び介護サービスの提供に利用するため、個人情報指定居宅介護支援事業者等に対して交付することができます。

問題17 「国民生活基礎調査(平成16年)」の要介護者等を介護している主な介護者に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1.要介護者等と同居している家族等介護者よりも、別居している家族等介護者の方が多い。
2.主な介護者と要介護者等との続柄については、「子の配偶者」が最も多い。
3.要介護者等と同居している主な介護者の性別については、女性よりも男性が多い。
4.要介護者等と同居している主な介護者の半数以上は、60歳以上の者である。
5.要介護5の要介護者と同居している主な介護者で、「ほとんど終日」介護をしているのは2割程度である。
答え:正解 4
1.× 平成16年国民生活基礎調査によれば、要介護者等と同居している家族等介護者の割合は、66.1%となっています。平成22年の同調査でも、64.1%と同居している割合が高いです。
2.× 平成16年国民生活基礎調査によれば、主な介護者と要介護者等との続柄については、配偶者24.7%と最も多く、次いで子の配偶者20.3%、子が18.8%となっています。平成22年の同調査では、配偶者が25.7%と最も多く、次いで子20.9%、子の配偶者が15.2%となっています。
3.× 平成16年国民生活基礎調査によれば、要介護者等と同居している主な介護者の性別は、女性74.9%、男性25.1%と女性が多いです。平成22年の同調査でも女性69.4%、男性30.6%でした。
4.○ 平成16年・平成22年国民生活基礎調査のいずれでも、要介護者等と同居している主な介護者の半数以上は、60歳以上の者となっています。
5.× 要介護5の要介護者と同居している主な介護者で、「ほとんど終日」介護しているのは、平成16年・平成22年国民生活基礎調査のいずれでも、5割以上となっています。

問題18 シルバー人材センターに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.厚生労働大臣が、市町村ごとに指定する公益法人である。
2.高年齢退職者に対し、臨時的かつ短期的な就業の機会又はその他の軽易な業務に係る就業の機会を提供する。
3.高年齢退職者のために、有料の職業紹介事業を行うこととされている。
4.別名、高齢者能力開発情報センターともいわれる。
5.高齢社会対策基本法に基づいて設置されている。
答え:正解 2
1.× シルバー人材センターは、都道府県知事が許可する公益法人です。
2.○ 高年齢退職者に対し、臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務への就業の機会を提供するのは、シルバー人材センターです。
3.× シルバー人材センターの職業紹介は、無料で行われています。
4.× 高年齢退職者のために、高齢者能力開発情報センターでは、職業の斡旋、適
職の研究のほか、各種の福祉情報の提供などが行われています。
5.× シルバー人材センターは、高齢社会対策基本法ではなく、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づいて設置されます。

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